酒害体験談

たかが五年、されど五年

発表者 K・Y
所属 板橋断酒会

新春を迎えた(平成二十二年)一月八日、日本橋公会堂・本部例会において五年の免状を理事長から受け取ることが出来ました。この栄えある表彰を受けられたのも断酒会の仲間の励ましがあったお陰と深く感謝しております。
五年の表彰の感激も新たに断酒例会に出席し継続の糧として、仲間と行動を共にしていきたいと思います。誠に有難うございました。
断酒会に入会するまで酒なんか一人で止めていける、そんな考えでいました。成増のアルコールセンターを退院して二年、その内一年近くにわたり見学の立場で参加させて頂きました。平成十六年の十月頃でした。毎月第三土曜日に開かれている慈高会で文京断酒会のH会長から断酒会について、一人断酒していくのは自分自身が苦しいよ、そして多くの仲間の輪の中にいて一緒に断酒していく方が自分にとって楽に断酒継続していけるよと聞き、自分の意志もありましたが入会を決意し平成十七年一月に板橋断酒会に入会しました。一年近く見学していた時より自分自身が楽になった気持ちでした。今考えてみますと断酒会のことを話して頂いたH会長には大変感謝しております。入会して本当に良かったと思っております。
入会当初は本当に不安でした、仲間と一緒に例会に参加することが出来るのかが最大の不安でした。入会三ヶ月目の時、中野断酒会のK会長からお話があり、百日例会を一緒にやってみないかと声を掛けられて、これも自分は出来るのか不安でした。とにかく一緒に実行してみようと言われ百日間毎日実行しました。途中でイヤになったこともありましたが、とにかく実行できたことで不安はなくなりました。これがキッカケで多くの仲間と知合いになり、やりとげて良かったと思います。
ちょうど同じころ板橋断酒会に入会した女性の方も自分にとって大きなチカラとなり、今日までこられたことに感謝しています。入院時期も同じ時期で成増アルコールセンターの三ヶ所の自助会にも一緒に参加して、これも自分にとって大きな支えとなっています。断酒会入会時期は少し遅れての入会でしたが、今でも断酒会に参加してお互いの励みとなってここまで来られております。彼女も六月には五年になります。仲間として大変感謝しています。
平成十八年の酒なし忘年会の五人男の誘いがありまして、声を掛けてくれたのが西田会長、北断酒会のWさんに感謝しております。五人の絆で元気に例会出席してお互いに頑張っています。この様に断酒会入会のキッカケの話を聞きかせてくれた二人の会長(故人)のお陰で、仲間作りの大切さを知り五年の月日があるのだと思います。
そしてこれから何が起きるか分らないこれからの年月でも忘れてはいけないことなので、こういった不安の中で自分の体験から生まれる五年間の回復があり、あせって六年の真似をしても身につきません。例会の中で一つ一つ積み重ねて身体で会得しないとハードルを越すのは到底無理なこと。歯車がかみ合わなくなると全てが合わなくなる。行動を共にして頂いている仲間のお陰で、たかが五年、されど五年の節目の表彰を受けられたと感謝しております。
自分の原点でもあり、かつ断酒会の基本でもあります断酒例会に参加して大切な仲間と一緒にその断酒継続を修めていきます。誠に有難うございました。